@接触式硫酸製造法(接触法)
過程1: 二酸化硫黄SO2を〔 酸化バナジウム(X)V2O5 〕を触媒とし空気中の酸素と反応させ〔 三酸化硫黄SO3 〕を
つくる。
〔 2SO2 + O2 → 2SO3 〕
過程2: 三酸化硫黄を98〜99%の濃硫酸に吸収させる。この硫酸を〔 発煙硫酸 〕という。これに希硫酸を加えると,希硫酸中の水とSO3が反応し,H2SO4ができ,濃硫酸となる。SO3を直接水に吸収させると,多量の発熱のため水が蒸発し,SO3が溶け込みにくくなる。そこで,濃硫酸に吸収させ(この方が発熱量が少ない),発煙硫酸とした後,希硫酸で薄めて濃硫酸にする。
〔 SO3 + H2O → H2SO4 〕
A 塩酸HClや硝酸HNO3は揮発性がある酸で,その塩NaClやNaNO3に不揮発性の濃硫酸を作用させると,硫酸のH+とCl−やNO3−が結合し,HClやHNO3となって揮発して遊離する。
〔 NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl 〕
〔 NaNO3 + H2SO4 → NaHSO4 + HNO3 〕 高温だとNa2SO4になる。
B ブドウ糖C6H12O6分子内からH2OがとれてCだけが残る。
〔 C6H12O6 → 6C + 6H2O 〕
130〜140℃で行うと2分子のエタノールC2H5OH間で水がとれる。
〔 2C2H5OH → C2H5OC2H5 + H2O 〕
D 濃硫酸と水は接触面で激しく反応し発熱するので,多量の水に濃硫酸を加える。
E〔 Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2 + 2H2O 〕
(無機化学の反応式 パターン5 Cu,Agと熱濃硫酸 ⇒
その金属の硫酸塩+SO2+α)
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